『　天然繊維の扱い2　』

2014/01/04
writer：ノリ
- ストールファッション

おはようございます。
Natural Loungeのノリです。

あなたの洗濯時間は何分ですか？？

先日、お越しいただいたお客さまと話していると
ストールの洗濯の話になりました。

「日本人だから、洗いたくなるよね。
　でも、着物と一緒で、なかなか難しいね。」

たしかにそのとおりです。

下着を始めとして、一度着たり使ったりしたら洗濯をする。
そのように、頻繁に洗濯することが多い傾向が日本にはあります。

そして、風合いが変化したり、色落ちしたりといったことも注意しなくてはいけません。

ストールの洗濯方法は後日お伝えしますが、
洗濯や一般的に使われる洗剤についてお話しします。

どんな繊維のものでも、洗濯をすることは繊維に対して負荷をかけます。

表面の汚れを分解して溶かしだしたり、
擦れ合わせるたりすることによって綺麗にしていきますから、
繊維１本１本が少しずつ傷んでいくというイメージができますでしょうか。

日々シャンプーをして、髪の毛が傷んでいく人のことの方が
わりと簡単にイメージできるかもしれません。

条件はいろいろありますが、基本的には、
繊維へのダメージとしては、洗濯が少ない方が良いということになります。

髪の毛であればシャンプー、洗濯であれば洗剤を使いますよね。

私たちが普段着ているものの汚れは汗、血液などのタンパク質を多く含みます。
それらに対して洗浄効果を上げるものは市販されている
“弱アルカリ性”の洗剤です。

私が使っている洗剤もこの弱アルカリ性のものですし、
あなたが使っているものもおそらく弱アルカリ性ではないかと思います。

汗や血液などの汚れを効果的に落とせるので
弱アルカリ性洗剤がよく使われる。

汗や血液はタンパク質。

弱アルカリ性洗剤はタンパク質汚れに効く。

このようになります。
タンパク質を分解して汚れを落とし、きれいにしていくのです。

ここで注意すべきは“タンパク質を分解”です。

あなたの髪の毛は何でできていますか？
同じように、羊の毛であるウールは？
蚕のまゆであるシルクはなんでしょうか？

タンパク質、ですね。

タンパク質を分解してしまうので、
ウールやシルクなどのタンパク質繊維に使用してはいけないというわけです。

極端にいえば、濃い塩素の場合は溶けてしまいます。

私の知人の話ですがこんなことがありました。

普段は自分で洗濯をしない男性です。
ですが、その日、たまには洗濯をしてあげようと善かれと思い、
奥さんの洋服を洗濯しました。
優しさを出したのでしょうね。

家にある洗剤を入れました。
普段はやっていないので量がわかりませんが、
しっかりと汚れが落ちるようにと、多めに入れたようです。
その方が落ちるだろうと思ったからです。

この日洗った洗濯物はオシャレなシルクの洋服。
使った洗剤は一般的な弱アルカリ性の洗剤。
通常の量でもダメージになるのにかなり多い洗剤の量。

洗濯が終わりふたを開けて見てみると、
シルクの洋服の大部分が溶けてなくなってしまっていたそうです。
奥さんにひどく怒られたみたいです…

この話では、かなりの量を入れ、濃い塩素の状態になっていたと考えられます。
通常の分量でここまでにはなりませんが、
タンパク質繊維が分解されていくことがわかると思います。

また、洗濯機をかける時間ですが、このようなデータがあります。

ドラム回転式洗濯機なら、洗い開始後1分で9割の汚れが落ちる。
5分以上は汚れの変化はない。

意外と、汚れは落ちているものなのです。

長くやれば汚れが落ちる、のではなく、
必要以上に長くやることは繊維を傷つけてしまうことになります。

洗剤の種類や量、洗濯時間について見直してみてくださいね。

P.S
柔軟剤や糊付けで調整をしても、必ず「風合い」は変わります。
極端に汚れていなければ、ストールの洗濯はオススメしません。

上質なストールは、大切なスーツや革製品と同じように、
汚れにくい使い方をすることや、
使った後のケアをすることが大切です。

そうしたことで愛着も湧いてきますし長持ちしますし
いいことばかりです。

「『　天然繊維の扱い2　』」への2件のフィードバック

匿名 2015年12月22日 10:05 午前

とても為になる情報を教えていただき、ありがとうございましたm(_ _)m
ドラム式の洗濯機、20分かけて洗ってましたσ(^_^;)
かなり‼︎無駄してたんですね…
ありがとうございました

返信 ↓
1. ノリ投稿作成者2015年12月25日 5:01 午前
  
  　
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  コメントありがとうございます^^
  お役に立ってよかったです！
  　
  もちろん、頑固な汚れやシミになったものは別ですが
  普段から洗っているものは
  短い時間でも綺麗になっているんですね。
  　
  大切な衣類は
  ダメージを少なくして
  長く愛用したいものですね^^
  　
  　
  ストールコンシェルジュ
  ノリ（中谷典弘）
  　
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  返信 ↓